2012年 05月 16日
北アルプス 燕~常念縦走 その2
燕~大天井岳~常念乗越~一ノ沢下山
3:45に目覚ましが鳴るも、暴風は相変わらずでとても行動できるような天気ではない。
明日蝶を目指すなら早朝発をしなければならないが、3人とも無言のまま二度寝…。
ん?二度寝?寝れたら本望。寝れないし。でも、テント大丈夫でヨカッタ。
5時頃起床、外は曇り。天気予報では今日1日は何とかもちそう。このまま下山するのももったいないので、常念方面へ向かうことにする。
7時出発。燕山荘の前は出発する人でいっぱいだ。
燕岳は雪化粧。
千丈沢方面を見る。晴れていたら槍も見えるのになあ。
蛙岩と北鎌尾根の独標。蛙岩は冬は中をくぐっていく。
はろー
大天井岳に続く縦走路。
北鎌尾根。もうちょっとで槍まで見えるんだけど。
大天井岳を見る。積雪期は夏道を行かず、ダイレクトに登る。
やっと青空も見えてきたけれど、出発してからずっと稜線上は強風で、何度も耐風姿勢を取らないと吹っ飛ばされそうだった。
大天井岳 2922m
東大天井岳と常念岳。大天井岳から先は、夏道で積雪もないところが多く、アイゼンは途中で外した。そういえばオッサン2人はずっとつけてなかったけど。
槍ヶ岳がやっと見えたよ。
13:45 常念乗越着。
結局縦走中ずっと強風が吹きっぱなし。ザックのチェストストラップについている笛が、ひーっと乾いた小さな音を鳴らし続けているのがおかしかった。
さてこれからどうするか。明日の予報は朝から雨に変わっていた。
1.常念岳を超え、岩稜地帯を抜けたところまで泊まり、翌日蝶ヶ岳を経由で三ノ股下山
→当初の計画。この案は今朝消えたって。
2.常念岳を往復し、乗越のテント場泊で、明日一ノ沢下山
→天候はこれから悪化。昨晩からずっと強風に吹かれっぱなしなのに、
今晩もこんな強風のなかテント泊なんぞ無理。
3.常念岳を往復し、風のない一ノ沢の適当なところで泊まり、翌日下山。
→明日は朝から雨みたいだし、雨の前にさっさと下山したい。
4.今すぐ下山
→賛成多数で決定。
ヤナッチは常念岳を目の前に、一人でも登りたかったようだけど、結局折れてくれた。
すまん、もう私はくたびれてしまったのだよ。
14:00、常念小屋前から携帯でタクシーを予約し下山開始。
一ノ沢を下る途中で振り返る。
暫く下ると暗くなり、雷が鳴り雹が降り始めた。パチンコ玉くらいの雹がガンガン降ってくる。
いやはや、常念岳を登っていたら、エライ目に遭っていたところだ。ヨカッタヨカッタ。
登山口には17時着。タクシーは18時に予約していたのだが、別のお客さんを待っていたタクシーのおじさんが、無線で連絡してくれて早く来てもらうことができた。同じくこんな天候だから、と常念岳を諦めて下山した単独の青年と一緒に乗車、穂高駅で青年とお別れして本社へ戻る。
1日早い下山となり、八王子へ帰るTさんが電車をチェックするとかろうじて温泉に行く時間はある、とのことで急いで出かける。夕食も一緒にできず、最後はバタバタと見送ることになってしまったのは残念だった。
タクシーのおじさんから、白馬方面での遭難事故を聞いた。当初ニュースでは軽装だったと伝えていたので、あの天候で無防備すぎでは、と思っていたが、実際は事情が違っていたようだ。装備はしっかりされていた。ダウンジャケットもツエルトもコンロも持っておられたけれど、天候の急変に対応できなかったとか…。
夏、年配の方は体温調節機能が低下しているので、家の中にいても熱中症に気を付けないといけないと聞く。今回気象遭難された方は、みな60歳以上だった。歩いている時は、汗をかくくらいだ。薄着のまま歩き、急に吹雪き、寒いと思った時にはもう遅かったのかもしれない。
このGW後半は、事故が相次いだ。自分も肝に銘じなければならない。
by Koh_Chang
| 2012-05-16 23:27
| 山